<覚ヱ書キ>
朝:ハム&玉子ロール、GFJ
昼:湯麺
夕:EM、YS(葱塩)、CMwBP、SK(茄子、胡瓜、人参、大根)、DB、RCH
夜:RCH
深:TR500(味噌)
◇祝いの品は高級カレーレトルトでした。
◇松阪牛入りとかも入ってます。(1,000円超え)
◇・・・3日間はこれだけで生き伸びられます。
◇皆様の優しさだけで生かされています。(泣)
(了)
本日ァ大学校での講座受講でござんす。
『桜美林大学アカデミー特別講座 桜美林寄席 日本の伝統文化に親しむ(第四回)』
@四谷一丁目・桜美林大学アカデミー(四谷)
柳家初花(しょっぱな)◆子褒め
「二ツ目勉強会をここ四ッ谷でやらさせていただいております」
「新宿通り沿いにあります、"Three Thread"というビールが飲めるパブですね」
その店は何度か伺った記憶がありますがね、かうんたあのある店の印象しかないてんで、何処に高座を設えるのか想像さえできません。(後で聞けば、個室はあるみたいですが)
一龍斎貞寿◆義士銘々伝 安兵衛の婿入り(前編)
「この講座の趣旨として、『忠臣蔵』の何かを演ってくれと云われまして」
「忠臣蔵、我々講談の方「」では『赤穂義士伝』と呼びますが」
「『本伝』、『銘々伝』、『外伝』とありまして」
「『本伝』がいわゆる忠臣蔵本編のお話ですね、松の廊下から始まり、吉良邸討入まであります」
「『銘々伝』は、四十七士に関するエピソードです」
「堀部安兵衛、高田馬場決闘なんかが有名かと思います」
「『外伝』とは、その四十七士の家族、友人などの話になります」
「今回はその中より、銘々伝の抜き読みでございます」
柳家初花◆薬罐
本編:
隠居による「水沸かし」の説明にて講談調に転じます。
一龍斎貞寿◆義士銘々伝 安兵衛の婿入り(後編)
「ただ今時刻は9時26分ですが、会場は9時半に撤収でございます」
「あと4分で演れと云われれば、できないこともないですけれども、皆様いかがでございましょうか、後編を演らせていただいても」
(拍手)
「ありがとうございます、・・・これも前編が長過ぎたせいでもあるんですが、では」
ぱんっ(張扇音)
お時間となりまして、お開きで御座ィます。
三栄通りの端にあります店を目指しましたが、空席にもかかわらず「忙しいから」という理由で門前払いを喰らいまして、三丁目方面と歩を進め、惣菜売り場を横目で見ながら階上に向かいますと、会社の飲み会でしょうか、若造がひとり泣きながら気焔を吐きまくっておりますが、それを肴に飲んだくれまさァね。(無理)
(了)
<覚ヱ書キ>
朝:VMS(HCwS、TS、PS)、GFJ
昼:"Avocado Burger", "BD-FP(R)"
夕:天ぷらそば(太麺)
夜:SYB(D)、2KD、玉子豆冨、揚げ出し豆冨(大山産)
深:"Ardbeg"、稚鮎のエスカベッシュ、CC
◇「娘には云うつもりもないし、聞かれもしないから云わない」と断言する大将、店を持つ前の職は妻にさえ内緒という。
◇それでも、「何でそういう人と知り合いなの?」と疑問を投げ掛けられるが、曖昧に返しているという。※「そういう人」 ・・・ 素っカタギとはとても呼びづらい方面の方々
◇・・・どんだけ黒いんすか、大将。
◇『ジウI 警視庁特殊犯捜査係』 誉田哲也(中央公論社)、読了。
◇自称クリスチャンというSAT隊員のフェイドアウト加減が唐突過ぎて残念である。
(了)
みなさん、おはようございます!
おっと、はなからしゅっけつしているぞ。
はなぢぶーのしょうげきでめがさめたみたいです。
いったいなにがおこっているのかな?
そうやって、なにもみなかったことにして、いつものいちにちがはじまるのです。
・・・。
じかんとなりまして、なんきんじょうたいからかいほうされます。
さあ、かえるぞう!
きがつけば、もよりのえきからふしぎなほうめんのでんしゃにのってゆられています。
こっちはたぶんおうちのほうがくじゃないな。
1けんめ。
なんということでしょう、てんないのがめんには、『ばっく・とぅ・ざ・ふゅーちゃー』がながれています。
いぜん、このみせにきたとき、『1』、『2』、『3』をとおしでみてしまったきおくがよみがえります。
6じかんすわりっぱなしののみっぱなしでした。
わるいまえぶれです。
あとでひとからきいたのですが、『2』のぶたいせっていは「2012ねん6がつ27にち」とのことです。
つまり、きょうですね。
まだ、すけぼーはちゅうにういたりはしませんが。
ながれていたのは、『1』でしたが、これもなにかのえんでしょう。
みせがこみあってきたので、いどうします。
2けんめ。
みせのひとからかいこう1ばん、「おまえのひみつをしっている」といわれました。
ぼくなんてひみつだらけですから、いまさらびくともしませんね。
すずしいかおですましていると、えられるものはなにもないとさとったか、からんでこなくなりました。
かんそうしたくだものをはでひきちぎりながら、なんべいのさとうきびしょうちゅうをあおります。
ひとりでのんだくれていると、なにかあわれにおもわれたのか、となりのせきのひとから、1ぱいごちそうになりました。
「ながいあかつき」、「ずっとあさ」といういみあいのめいがらです。
なるほどこれは、むしろ「あさまでがながい」ふいんきののみものですね。
こごえで、しずかに、かえるむねをつげ、そっとせきをたち、けむりのようにそとへながされてゆきます。
ああ、あすはゆうびんきょくにいかなくちゃ。
3つほどのようがあるのです。
おかげさまで14さいになりました。
「ちゅう2びょう」まっさかりで「はんこうき」なぼくですが、こんごともごひいきに。
(おわり)
<覚ヱ書キ>
朝:冷狸饂飩
昼:焼き鮭はらみ結び、LCC、MC
夕:皿饂飩(太麺)
夜:"Ardbeg"
◇「蛍を見に行ったんですよ」
◇ホテル? 何が楽しいのかしら。外装?
◇「けっこうきれいでしたよ」
◇色とりどりな感じかな。
◇「いやー、一色だけじゃないですかね、オスメスで強弱はありますけども」
◇何だ、下か? そんな話、時間はまだ早いぞ。
◇「明日までやってるみたいですよ」
◇・・・そいつら、どんだけなんだよ・・・。
◇話がまったく噛み合ってないと気付くのはずいぶん後になってからだ。
(了)
◇女である。
◇和平協定的意味合いの政略結婚真っ最中の新婦や内戦調停目的にて本国より出張った皇帝の暗殺さえ完遂した殺人倶楽部での活動もいよいよ終局を迎える。
◇これまでの倶楽部は「家族」と称して仲良し殺人ごっこ集団だったが、殺人依頼を人智を超えた存在より直で受け取れるという、ぽっと出の新参者である自分の存在を疎ましく思った現役部長が、実は外部組織と密通しており、その結果裏切りに重なる裏切りに遭い、倶楽部の部室は放火によって大炎上し、先輩部員も数名斃され、壊滅的な状態に追い込まれる。
◇かつての古巣を棄て、北の地へと逃れた。
◇死亡:部長、オオカミ先輩、トカゲ先輩、ハゲ爺、子蜘蛛(通称:リス)
◇生存:ロリ婆(300歳)、アラブ人、気狂いピエロ、自分
◇旧知である犯罪者集団の顔役に相談し、施工業者を雇い、調度品も揃えて、暗殺倶楽部を再建。
◇暗殺者の担い手としての若手も新たに求人し、招き寄せての再出発である。
◇新しい部室長屋の奥まった一画より男女数名の呻き声が響く。
◇そういえば、提案された設計書に「拷問部屋」なる物騒な説明書きがあったのを思い出した。
◇ごうもんごうもんとわくてかしながら、向かってみると半裸の男女4人が壁に据え付けられた手枷に両手を封じられてうな垂れている。
◇会話を試みると、4人とも表現は違えど「金なら払う、助けてくれー」という内容。
◇ひとりひとりちくちくと問い詰めてみると、それぞれが屋外に隠し財産を持つと白状した。
◇その内ほとんどが木の洞(うろ)や岩の隙間という緊張感皆無な隠し場所である。
◇じゃァそれ、いただいてくるわ。
◇地方公演4箇所、全国集金ツアー、スタートです。
(續く)
<覚ヱ書キ>
朝:「筑波鶏のチキンカツサンド」
昼:MMNTS
夕:
酒類◇SYB(D)、フクロウの常陸野ネスト(茨城・ホワイトエール)、COEDO伽羅(川越・ペールエール)、JGHB、"Myers Dark", "Bacardi White"
一品◇ひじきと山芋のチヂミ、KYTCS、CP(全粒粉)、地鶏とアボカドの柚子胡椒R、味噌漬豚ロースグリルとKYID
◇一人暮らし?
◇「いえ、私と母と彼氏と鳥が」
◇トリ?
◇「6羽います、これが画像です」
◇おー、カラフルインコだ。
◇「小桜って種類ですね、ラヴバードともいいます」
◇家猫は自分がいちばん偉いと思うらしいけど、ここんちはどうなの?
◇「私、母、鳥の下に彼氏ですね」
◇自分がいちばん上かい!
◇・・・彼氏の立ち位置いかばかり・・・。
(了)
<覚ヱ書キ>
朝:(失念)
昼:「氷見うどん 細めん」、トルキム
夕:煙、蜆、生、瓶
夜:"Ardbeg"
更:HB、HS
◇徒歩30秒圏内にて朝方まで飲んだくれている。
◇この界隈に8年弱住んでいるが、初めて入った店である。
◇自宅に近過ぎるというのも考えものだと思う。
◇通うか否かはお前次第だ。(誰目線?)
(了)
<覚ヱ書キ>
朝:(失念)
昼:BCP、MC(KA)、BBY
夕:
突出◇煮物(内容失念)
造り◇牡丹海老(富山・魚津)
蒸物◇真鱈の蒸しぽん酢(魚津)
唐揚◇げんげ(魚津)
焼物◇牡丹海老の頭
酒類◇鶴齢(新潟・新潟)、角右衛門(秋田・湯沢)、日輪田(宮城・栗原)、酔鯨(高知・高知)
◇夕餉の店、予約の客6名が時間になっても来ないという。
◇大手通信系企業の常連が土壇キャン。
◇「だからここで座って飲んでるの」という女将。
◇飲んだくれに理由なんて要らないのだ。
(了)
本日ァ大田区での落語会でござんす。
京浜東北線にて大森駅に出まして、東急バスへと乗り換えての大遠征でさァね。
『大田文化の森落語会 季節寄席(夏) 特別企画 春風亭一之輔 真打披露』
@中央二丁目・太田文化の森ホール
開場前、前売券完売ながら全席自由設定の為か、列成す高齢な客人らは何やら殺伐としておりまして、並び疲れた老婆が主催者側でお手伝いの老婆に詰め寄る瞬間もありましたな。
開演前、席亭のご挨拶がありまして、後で高座に上がります柳朝師匠が「大森」在住であることが分かりました。
春風亭朝呂久◆権助魚
「二番弟子の一之輔あにさんが真打になりまして、真打披露興行にわたしも出たり出なかったりなんですが」
「前回は有楽町にありますよみうりホールでして、その次には大宮ソニックシティーを控えております」
「まァでも銀座有楽町とは云えね、ここ大森に比べりゃァあんな街は田舎もんの集まりですね」
「大森は素晴らしいですよ、大森はわたしの第二の故郷だと思っております」
「・・・次の大宮でも同んなじことを云いますけれども」
春風亭一左◆蕎麦清
「一朝の四番弟子で二ツ目です」
「先日、秦野の落語会に呼ばれたんですが」
「あまり落語というものに馴染みのないお客様ばかりでして」
「通常ですとわたしがこう、袖から舞台に登場した際に皆様から拍手をもらいますよね」
「そして、高座に上がって座り、お辞儀をする時にも拍手をいただくはずなんですが」
「どうにもいただけませんで、『あの、こういう時に拍手いただけるとありがたいんですが』と申し上げますと」
「仕方なさそうな義理の拍手がぱらぱらとありました」
「それに比べて、今日のお客様は、もう素晴らしいですね」
春風亭一朝◆壺算
小咄:
「百貨店の地下にゆきますと、食品街となっておりましてね、なかなか楽しいですね」
「洋菓子を買い求めようと思いましたが、商品の名前が横文字ばっかりで、あたしの様な年代の人間には読み辛くてしょうがない」
「そこへ年配の女性の方がすっとやって来ましてね、お店のショウケース見ながら、『あなた、これとこれと、それからこれと、あとこれをひとつずつちょうだい』」
「お店のお兄さんが答えて、『あのうお客様、ショウケースが影になっててこちらから見えないので、すいませんが名前云ってもらえますか?』」
「『・・・田中みどりです』」
お仲入りで御座ィます。
一左・一之輔・一朝・柳朝◆口上
昨日、柳朝師匠より電話にて司会をお願いされたという一左あにさん、師匠である一朝より「拙い司会」と評され、当の一之輔師匠にも「やっぱり頼むんじゃなかった」と散々な目に。
春風亭柳朝◆道灌
本編:
「ななへやへ ばなばざげども やまぶしの みそひとだると なべとかましき」
春風亭一之輔◆船徳
「今日はお子さんが何人かいらしてるみたいですね」
「先日、学校寄席で呼ばれまして」
「あれは強制的な学校行事ですから、聴く気があるこちらのお子さんとは異なる、聴く気が皆無な集まりですね」
「まァそれでもお仕事ですから、何席か演りまして、まったく受けない状態で高座を下りようとしましたら」
「先生が気を遣ってくれたんでしょうね、『はい落語家さんでした、みんなから質問があるかと思いますので、ここで質問コーナーにしますねー』」
「・・・おいおい早く帰らせてくれよ、と思いましたが、まァそこはお仕事ですから」
「『何か質問とかある人!』、・・・で、誰も挙手しないんですよ」
「(小声で)『学級長、がっきゅうちょう、気を遣え』」
「仕方なく手を挙げた学級長を先生が指差します」
「『えーと、三遊亭・・・』」
「春風亭ね、春風亭一之輔です」
「『あ、はいすいません、しゅうぷうていいちのすけさんに質問です』」
「はい、何でしょう」
「『えーと、おいくつですか?』」
「34です」
「『お若いですね』」
「『ありがとうございます』」
「『64くらいかとおもいました』」
「・・・」
「『ご家族は?』」
「カミさんと、子供がふたりです」
「『ふたりも・・・無計画ですね』」
「・・・」
「『えーと、今日は落語楽しかったです』」
「ありがとうございます」
「『・・・で、普段は何をされてるんですか』」
「ぶっ飛ばしてやろうかと思いました」
本編:
「我慢しない、辛抱しない、辛くなったら直ぐ止める」を条件に船頭となりました大家のしくじり若旦那の徳三郎、大川をいい様に流されてゆきます。
追い出しが鳴りまして、お開きで御座ィます。
折角の大田区ですから、と思いましたが、特に何も思い付かず、最早恒例となっております、豚の三層肉を斜めった鉄板でじうじう焼いてから葉物で包んで食す品でもいただきましょうかねぇ。
(了)
<覚ヱ書キ>
朝:(失念)
昼:生鱈子結び、捏ね
夕:
突出◇絹担ぎ
焼物◇穴子、捏ね、皮、葱間
野菜◇AG、ND
造り◇真鰯(仙台)、鰹(勝浦)
酒類◇SYB、2KD(W)
夜:"Cachaça"、サルシチョン、プレッツェル、ミモザ、パルメジャーノ
◇メモ:火曜23時より。
(了)
<覚ヱ書キ>
朝:金平天蕎麦
昼:塩、もやし
夕:SKAYS(C&P、G&L、C:150%、粗挽き黒胡椒、赤唐辛子)
◇夕餉の店選びに失敗して、直帰を余儀なくされる。
◇反省点は・・・細くて長くて熱い物ばかりというただ一点のみである。
(了)
◇女である。
◇薄闇の中で目覚めると、知らない天井が見える。
◇自分はベッドに寝かされており、手足は何らかの器具にて拘束されている様だ。
◇窓なのか亀裂なのか、室内に降り注ぐ月明かりさえ朧で、茫とした視界は覚醒してあれから戻らないままだ。
◇壁際に置かれた木製収納の上に誰かが腰掛けている。
◇その人物が誰なのか、自分が何処に居るのかさえ分からない。
◇正体の知れない勢力によって強制的に攫われたと理解した。
◇「目が覚めた?」
◇はい、えーと、こんばんは。
◇「ひとんちの仕事を横取りするのは誉められた行いではないと思うの」
◇あー、あの孤児院の、院長の件で、わざわざこんな。
◇「依頼者はね、わたしたちを求めていたの」
◇知ってました。
◇「じゃァ何故かしら」
◇ぶっちゃけますと、そうしないと話がす・・・。
◇「・・・そんなメタな発言は要らない」
◇理由は理解しましたか?
◇(答えず)「じゃァ面接しましょうか、せっかくだし」
◇この状態で?
◇「はい、枷は解いたから。見て、後ろに三人の捕虜がいる」
◇いますね。
◇「ひとりだけ選んで」
◇・・・えーと、ばっさりですか、それともグーでばーんですか?
◇「任せるから」
◇いきなりの実技試験、内容は「ひとりだけ選ぶ」。
◇左から「歴戦の傭兵」、「子持ちの主婦」、「悪徳商人」である。
◇・・・真ん中だけは意味が分からんな。(しかも6児の母という)
◇「ひとりだけ選ばれる」と聞いてのそれぞれの反応。
◇傭兵「ひぃぃ、こんなの嫌だ止めてくれぇ、あれは仕方がなかったんだぁぁ」
◇主婦「この縄を解きなさいよ、ここを出たらひとり残らず殺してやる!」
◇商人「なァお互い冷静になろうじゃないか、任せてくれれば決して悪い様にはしないからさ、ね?」
◇・・・迷いますね。
◇「面接官も暇じゃないんだけどなー」
◇正解なんてないんだと思い、xxxxをグーでばーん、て。
◇「・・・なるほど、興味深い結論ね、じゃァ今日からよろしく」
◇・・・合格ですか。
◇「そうね、後でまた会いましょう」
◇もう後には戻れない、数ある裏稼業の中でも屈指たる、時には国政さえも左右する暗躍の組織に採用される。
◇・・・日陰の女、スタートです。
(續く)
◇女である。
◇泥棒組合の統領にまで昇格し、上納金を受け取る身分に。
◇各自治領での犯罪がうかうかと露見しても、一握りの賄賂と組織暴力的な威圧で円満解決可能な闇の実力者である。
◇・・・何という事だ、性善説を信じて世の為、人の為と尽力を注いだ結果がこれだ。
◇これからは影を支える力となって真っ当に生きよう。
◇まァそれはさて置き、次なる転職先は「暗殺者集団」である。(・・・舌の根も渇かぬ内に)
◇それは就職前に遡る。
◇北方地域の東部にて、孤児院から逃亡したひとりの少年が、院長憎さに毎夜毎夜と悪魔的な儀式を繰り返しており、近隣住人が怯えているという。
◇様子を見にゆく。
◇「わァ、きてくれたんだ! まいにちまいばんいつかいまかとまってたよ!」
◇何でしたっけ。
◇「ずっといってるじゃん、いんちょうをやっつけてほしいんだ」
◇引き受けるかどうかは別として、その孤児院に行ってみよう。
◇「ぜったいだよ!」
◇孤児院は少年の元住居より南下した都市の外れにあった。
◇院長先生、地元では「親切者」で通っているという。
◇・・・話が見えないな。
◇こんにちはー、と扉をくぐる。
◇「この無駄飯喰らいの豚どもめッ! お前らに里親なんか無理だね。ここできりきり働かない奴は何処に行ったって同んなじなんだよッ! 一生お前たちを奴隷の様にこき使ってやるから、覚悟をしッ!」
◇・・・って分かり易過ぎてなるほど、これは殺害動機としては充分だな。
◇「何だい、あんたは」
◇少しお話が。
◇「話なんてないね」
◇・・・困りましたね。では失礼して。
◇「ゆ、床に何を置いたんだい、それをどうするんだい」
◇この世界ではオブジェクトそのものにダメージ判定があり、例えば「頭蓋骨」という物騒なオブジェクトを地面に置いて、その上を助走して駆け抜けると、物理演算の結果によって、丁度ビリヤードにおけるキューがボールを突く角度と速度で転がって弾かれるのと同様に、力点と作用点のエネルギー運動で頭蓋骨はフットボールの起源を追うが如く足で蹴られて飛んでゆくのである。
◇説明終わり。
◇以上を踏まえ、軽く室内をうろうろしていると幾つかのオブジェクトは転がり、結果的に院長の泣き所にヒットしたらしく、低い呻き声と共に椅子の背もたれにゆるゆると崩れ落ちた。
◇脆っ。
◇(後で聞けば、院長の生命力は「1」として設定されているらしく、どんな些細な攻撃でもすぐに昇天する)
◇孤児院に残された少年少女たちがどうかと思うほど狂喜乱舞して明るい未来を互いに語り合う傍ら、副院長は突然の院長の死に激しく動揺し、きゃあきゃあと逃げ惑うばかりである。
◇あんたがしっかりしなくちゃ。
◇「何なの、出てってよ! お願いだから早く行って!」
◇衛兵に通報する様子もないので、ここはひとつ大人しく引き下がるとしよう。
◇この地を離れ、依頼人の少年に結果を報告。
◇「やったね! いんちょうをやっつけてくれて、ありがとう! これはわがやにつたわるかほうのさらだよ、ほうしゅうとしてうけとってね!」
◇ただ一枚の皿を受け取り、帰路へ着く。
◇夜半、床に就く前に一日を振り返ってみる。
◇まァ結果的に孤児たちも喜んでたし、孤児院の外を巡回していた衛兵からも「あの院長がいなくなったのは子供たちにとっても良かった」とさえ云われたから、それはそれで良しとしよう。
◇そして、瞼は閉じられ、闇が訪れた瞬間から、私の次なる試練が始まったのだ。
(續く)
何かを語るに値しないとと判断した時でさえ、曖昧さだけを原動力として前進するという行為を否定できない。
09:30 豊島区
痛飲祟りまくりまくりすてぃーのまま、山手線外回りに乗車。
交差点を横断する前から店頭には一桁台の列が見える。
個体数「9」の後ろに着く。
程なくして現れたスタッフが恐る恐る割当数を告げると、その数は「4」という。
・・・撤収。
09:45 豊島区
山手線内回りにて隣駅へ。
車上から見える店頭には、誰も並んでいない様子。
少しの希望を持って現場へ向かうと、シャッター前に立てられた看板には「予定数ほにゃらら整理券ほにゃららありがとうほにゃらら」との切ない一文が。
前日に整理券配布済とは、店側の徹夜組対策だろうか。
・・・撤収。
10:00 豊島区
再び車上の人である。
趣向を変えて量販店を攻めてみるとしよう。
鉄格子にも似た柵を開店と同時にくぐって、スタッフをひとり捕獲し問い詰めると、「予約数に達しました」との返答。
開店前に終了とは、ここも前日に整理券配布だったのだろうか。
・・・撤収。
10:15 豊島区
同エリアで別なる量販店へ。
望み薄なままでスタッフに詰問。
「こちらへどぞー」
日本人のそれではない日本語が何処か現実感を薄めてゆく。
「こちらでどぞー」
必要書類に必須事項を記入して、半券を手渡される。
「当日お渡しできない事もありますー」
まァそうだろうね、キャンセル待ちみたいなあれだと理解しているよ。
撤収。
10:45 渋谷区
山手線内回りを復路とする。
坂の途中の代理店には個体数「5」。
いちおう保険掛けとくかなと思い、しれっと6番目となるも、11時開店ゆえに未だ閉じられたシャッターの貼り紙が目に留まる。
「入荷数5」
・・・俺たちの夏が終わった・・・。
(了)
<覚ヱ書キ>
朝:冷狸饂飩
昼:湯麺
夕:
前菜◇ナムル(緑、白、茶)、CS
網焼◇塩ロース、塩豚カルビ、塩はらみ、塩鶏腿、リブアイステーキ(鋏で)
プルパン◇プルコギ(和牛カルビ薄切り醤油だれ漬け、サンチュ、白菜キムチ)、肉汁焼饂飩
〆メ◇IC(V)
酒類◇SPM、JCI(OTR)
夜:"Ardbeg"
◇夕餉の店、グループ系列の姉妹店として「そのシンボルを見ただけで青果関連の会社と思い込み購入した株が思いの外高騰してしまうという実は世界でも知らない人はいないIT企業の株券所持で莫大な富を手に入れるエピソードが綴られる映画にて構想だけ語られる海老(シュリンプ)を主流にしたシーフードレストラン」がある。
(了)
<覚ヱ書キ>
朝:金平天蕎麦
昼:焼き鮭はらみ結び、WFC(S&G)
夕:BB(R)、NT ※(こんな日は鰻にすりゃァよかった)
夜:"Cachaça"
深:"Cachaça"
更:"Ardbeg 24y 1977(114/248)", "Ardbeg Serendipity 12y"
◇『「流転の王妃」の昭和史』 愛新覚羅浩(主婦と生活社)、読了。
◇著者は、嵯峨侯爵家(維新前の正親町三条家)の第一子であり、満州国皇帝愛新覚羅溥儀の弟、溥傑の妻である。
◇満州国の終焉を考慮すると、文字通り流転続きの半生は想像に難くない。
◇それでも時には笑いさえ交え、激動の昭和史を体験と共に語っている。
◇それにしても、いや、だからこそ浩の長女、慧生の天城山での死が辛過ぎる。(泣)
◇桜ヶ丘町で十年目という店にてアードベッグ祭り。(他、レアボトル幾つか)
◇1ショットで「諭吉」先生御一人様がいなくなるというアニヴァーサリィ的エスペシャルな一品を含む至極のラインナップである。(ex; ”Lapalun 1952" 10,000yen/1shot)
◇・・・「野口」ごときの町医者風情には、手頃な年代がお似合いなのさー♪
◇(それでも「一葉」は先方へと嫁いでゆく・・・)
(了)
きょうは、ねんにいちどの「けんしん」のひです。
「たけだ」じゃありませんよ、あ、いや、「うえすぎ」ではなくてですね、「けんこうしんだん」ですね。
ぼくはびみょうなおとしごろですので、「せいかつしゅうかんびょうけんしん」になります。
13じすぎにうけつけにゆきました。
うけつけには、このみち30ねんといったふうかくの「じょしかんしゅちょう」がにおうだちです。
おそるおそるけんしんをうけにうきたむねををつげました。
「よくきたな、ぶたやろう。ひつようなしょるいとはずかしいぶつがはいったようきをだすのだ」
あたまごなしにおどされて、いわれたとおりにします。
「おまえはいまから1221ごうとよばれるのだ、なまえもじんかくもこせきもない」
なんということでしょう、ここではきほんてきなじんけんすらあたえられていません。
そして、あわいあおいろの「ふく」と、しゅうじんばんごうのかかれた「きろくぼ」をなげつけられました。
だまってそれらをひろいます。
「このばできがえるんだ、いますぐにだ!」
なんの「ぷれい」でしょうか、そんなこーすをえらんだおぼえもよさんもありません。
さからってもあれなんで、かんしゅちょうのいやらしいしせんをきにしながらの「なまきがえ」です。
まずは4かいです。
みはりやくの「かんしゅ」にがんみされながら「てつごうし」のはいったおりのようなえれべーたーでうえへとあがります。
「しんでんず」をとるため、べっどによこになり、ごうもんでもちいるような「でんきょく」がそうちゃくされます。
けんさまえにしょるいをみると、ぶっそうなないようのきじゅつがきになりました。
「ぜんねんどのけんしんけっかによりいしがひつようとはんだんしたばあいのみじっしいたします」
えー? 「しんぞう」になんあり?
すこしどきどきしたせいか、けっかにえいきょうしないかとしんぱいです。
ぬいだついでに「きょうい」をはかられます。
はくいのおんなのひとは「きろくぼ」に「ひんにゅう」とかきこんでいます。(そんなきじゅんはない)
・・・ふくざつなきもちですね。
2かいにいどうしました。
「きょうぶXせん」さつえいです。
なにげなく「ほうしゃせんぎし」のかおをみると、ひやけしたてみたいな「あからがお」です。
? おさけでものんでるのかな? それとも・・・もれ・・・あび・・・。
・・・すこしどころか、たいへんふあんになりました。(じつわ)
なにかをてきりょうとされるだけあびたつもりで「Xべや」からたいしゅつします。
そのままよこいどうで「さいけつ」です。
もじどおり「ち」をとられます。
「じょしかんごし」がちかよってきて、ぼくにこういいました。
「ぜんかい、さいけつのときにごきぶんがわるくなられたみたいなので、べっどでよこになってさいけつされますか?」
え? そうでしたっけ? まったくおぼえはないですが、それでおねがいします。
・・・たおれたしょうげきできおくをなくしていたのでしょうか、ふあんはつのるばかりです。
じょしかんごしは「かんごしひかえしつ」というとびらにてをかけ、なかへとゆうどうしようとします。
ちょ、あたしをここにつれこんで、なにしようっていうのよ!?
おもわずおねえことばがもれますが、じょしかんごしはかれいにするーします。
「さあ、ひだりうでをまくって」
もうかんねんするしかありません。
「はり」でさされたいたみがはしります。
「きぶんはどう?」
・・・はぁ、まぁ、えぇ。
なまへんじしかできません。
とりあえずかいほうされて、つぎもおなじふろあです。
「しんたいけいそく」は「しんちょう」「たいじゅう」「たいしぼう」の3つです。
・・・しんちょうは、ちぢんでいました。
あすにはきえてなくなるかもです。
・・・たいじゅうは、とんとんです。
・・・たいしぼうは、きおくにございません。
「けつあつ」は「せいじょう」でした。
うえが101? したのすうちはおぼえていません。
「ちょうりょく」けんさでは、はくいをきたおんなのひとにこべやへとおしこめられ、おともれしそうなやすいつくりの「へっどふぉん」をわたされます。
「なーすこーる」のようなすいっちをにぎらされ、おしたりおさなかったりです。
こべやからでたあと、いいもわるいもなにもいわれませんでした。
「しりょく」けんさでは「だい6かん」にたよりきったため、かなりのこうとくてんをまーくしてしましました。
ふしんにおもったかんごしからはかりなおしをめいじられましたが、「しんがん(こころのめ)」はすべてをみとおしてしまって、けっかはおなじでした。
・・・とうとうこのしゅんかんがおとずれてしまいました。
あの「ばりうむ」をのまされるのです。
まずは「みず」といっしょに、かりゅうの「たんさん」をわたされます。
・・・しゅわしゅわしますね。
つぎにだいのうえにたたされ、ここからがほんばんです。
しろくおもたいえきたい、ばりうむをのまされます。
のどをとおらないことこのうえありません。
たいしてなかもよくないおとこのひとからのしじで、ぐらんぐらんするましーんのうえでいいようにされます。
「さかさづり」にもなりました。
かんぜんにあたまがしたになる、ありえないたいせいです。
さいごに「あーむ」による「ふくぶあっぱく」わざがさくれつします。
ものすごくちからづよくおしてくるので、あばらがなんぼんかやられるかとおもいました。
おわったあとは「げざい」をわたされます。
・・・たいみんぐとふくようするりょうをまちがえると、おそろしいけっかになるやくぶつですね。
さいごは5かいにて、どくたーによる「しんだん」です。
わかいじょしのどくたーでした。
・・・こども?
あきらかにとししたの「じょい」からいいように「しょくしん」されます。
すべてがおわり、1かいにいるかんしゅちょうのもとへともどります。
「もどったか1221ごう、けっかは3しゅうかんごにゆうそうしてやるからな」
ありがとうございます。(ながいものまかれ)
「おまえはさくやの9じからぜっしょくしているそうだが、いまからはたべてもいいぞ、しょくじけんをつけてやろう」
ありがとうございます。
「あぶらこいものや、さけはひかえるようにな」
ありがとうございます。
いがいとやさしいかんしゅちょうにみおくられて、しゃばへとおくりだされます。
そとにでました。
じゆうです!
さてなにをたべようかな、とおもいさいしょにめについたのは、きいろじにくろじでみせのながかかれたかんばんでした。
このみせは「にんにくとあぶらをぶちこんだこってりすーぷ」と「たわーのようにうずたかくもられたもやし」でなをはせる「めん」せんもんてんです。
なにかがまちがっているきもしましたが、これはこれでよいでしょう。
のれんをくぐり、しょっけんをかいもとめます。
とうぜん、さっきもらった「しょくじけん」はつかえるはずもありません。
・・・たいりょうのあぶらとめんともやしにやられ、かんしょくしたあとのだいこうかいがまっていることには、このじてんできづかないざんねんなじぶんがなによりもいとおしいとおもう、そんないちにちでした。
(おわり)
<覚ヱ書キ>
朝:海老とアヴォカドのコブサラダ、胡桃チーズ
昼:8YCP(人参、玉葱、セロリ、ピーマン、パセリ、レタス、法蓮草、クレソン)
夕:ちゃんぽん(唐灰汁入り蒸し太麺)
◇人から聞いた話なんですけど、豪州らへんで衝撃的な「棒立ち」があったみたいですね。
◇屋根上がって梯子取られた感じでしょうか。
(了)
<覚ヱ書キ>
朝:冷狸饂飩
昼:穴子、鱚、蚕豆抓み揚げ、海老
夕:ぶっかけ(冷)、茄子天、竹輪天
◇梅雨入りさえ知らずに日々を過ごしています。
◇「JJ(情報弱者)」と呼ばれています。
◇・・・何かぐらぐらしますね。
(了)
◇女である。
◇この組織で自分は何故か「小娘」と呼ばれている。
◇まァぺーぺーですから。
◇幹部は3名、ひとりは多忙に過ぎて会話もままならず、もうふたりは仕事の斡旋を請け負っている。
◇上司(♂)から呼ばれたので、出頭してみる。
◇「競合する相手は潰す、そいつが俺達の遣り方だ」
◇ここは不殺主義じゃありませんでしたっけ?
◇「お前を殺そうと襲いかかって来る輩の前でそんな理屈が通じるのか?」
◇何やら少し殺伐としてきましたね。
◇「まァ聞け、『夏の終わりの影』とかいう中二病みてぇな連中がのさばってるらしい」
◇恥ずかしい名前ですね。
◇「そうだ、我々には信じがたい名だ。まずは北へ行って、農場主と会うんだ」
◇なるほど、組織は北部への拡大を画策しているようだ。
◇北へ。
◇例の一団に娘を殺害された農場主は、盗賊頭の持ち去った遺品の回収を求めているという。
◇「その結果、君が盗賊を排除するのは仕方のないことだ」
◇何処かの国の官僚みたいな事を云いますね。
◇「誰だって『殺せ』とは云いにくいものさ」
◇云われた通りにヤサである洞窟を急襲。
◇事前情報によるとここのボスは「死体から盗むのが好き」という。
◇それは「強殺」が大前提なのか、あるいは「墓荒らし」気質なのか疑わしいところ。
◇まァ盗賊団ですから、当然前者でしょうな。
◇そのくせボスの名がやたら女子っぽくて、対決が否が応にも盛り上がるというものだ。(何が)
◇策敵と適切な処理を繰り返しながら洞窟奥へ。
◇やたら軽装で細面なボス登場。
◇そのくせやたら打撃が痛く、体力がミルミル削られる。
◇それでもどうにか勝利して、戦利品としての装備品を剥ぐ。
◇・・・ガチムチなおっさんでした。
◇依頼者の娘の遺品、「銀のロケット」を回収して撤収。
◇農場主へ無事に品を返却して感謝され、泥棒組合北支部の再興を約束して帰還する。
◇上司にドヤ顔で報告。
◇「お前さ、旗燃やした?」
◇な、何ですか。
◇「『夏の終わりの影』の団旗が、洞窟北西部にある部屋の奥にあったはずなんだが」
◇し、知りません。(そこまで知ってて何故教えん)
◇「赤いのがはたはたしてたろ?」
◇いやー、見なかったですねー。いいい、今から燃してきます。
◇「もう遅いよ」
◇駄目ですか。
◇「したがって、ボーナスは無しだ」
◇(・・・なんなのこのひと、いちいちはらたつわー)
◇(ためいき)・・・あしたからもぬすみまくろ・・・。
(續く)
"Von der Nachtigall und der Blindschleiche"
◇女である。
◇盗賊稼業もすっかり板についてきた。
◇とはいえ、間違っても「義賊」とは到底呼べない、ちんけな盗っ人(バイト)である。
◇しかも「こそ泥」程度の仕事ばかりの為、不法侵入さえ咎められなければ、官憲に追われての派手な立ち回りすらないのだ。
◇そして、いや、だからか、未だぺーぺーのままである。
◇と嘆いていたら、大きなヤマが立つ。
◇内容。
◇「山賊に盗まれた銀の金型を取り戻す」
◇えー? これいつもと同じじゃーん。
◇ていうか「銀の金型」って表記上、やや抵抗があるな。
◇我が泥棒組合の拠点は南東の果てにある。
◇本件の依頼者は西の果てで支援を待つという。
◇なるほど、この一件を足懸かりに西へ勢力を伸ばすというわけですね。
◇「そうだ、事業拡大の一手になるから行って来い」と上司から背中を押され、出立。
◇西の果てにて依頼者と会う。
◇先祖代々銀細工師の家系である彼は、大事な品を取り戻したいと力説する。
◇山賊が根城にしている「松村」という集落へ向かえという。
◇「松村」へ。
◇村っつーか、木造の一軒家があるのみ。
◇こんにちはーと入ってみると、調理場で鍋を振るう男がひとり居るだけ。
◇あの、金型の件で伺ったんですけど。
◇「俺は見ての通りのしがない木こりさ、銀の金型なんて知らないね」
◇銀なんて云ってないんですけど。
◇「いや、あの、だってほら、銀とかあれするんだろ? あいつ」
◇まァ落ち着いてください、これは山吹色のお菓子です。
◇「ああ、そうかい、じゃァありがたくいただいとくよ。ところで俺は急に用事を思い出してこれから出掛けるところだが、壁のスイッチには触っちゃいけないぜ(にやり)」
◇何がにやりだと思いながら、スイッチを押すと戸棚がスライドして下り坂が奥深そうな洞窟が顔を出す。
◇岩肌も冷やかなその出入口には、数本のワインボトルが小粋なバスケットに入れられて置かれている。
◇後で分かった事だが、室内に無造作に置かれた手紙に目を通した結果、それはボスから木こり(自称)宛のボーナス支給代わりの品だった。
◇あらやだこのひと、ゲイ?
◇まァボスが野郎とは限らないので、とりあえずワインを跨いで奥へゆこうと第一歩を踏み出すのだが、足に当たり勢いよくボトルは坂を転がってゆく。
◇これは本筋とは何の関係もないのだが、物理エンジンの素晴らしさを伝える為の演出と心得ておく。
◇策敵と適切な処理を幾度か繰り返し、ボスへとたどり着く。
◇・・・ガチムチなおっさんでした。
◇容赦なく叩っ斬って金型を回収。
◇元来た道をたどり、隠し扉から一軒家へと戻ると、木こりは扉の前でぼんやりしていた。
◇「おう、何か用か」
◇いや、もう帰るからそこをどいてくれませんか。
◇「おう」
◇また何かタカられるかとも思ったが、難なく通してもらう。
◇銀細工師にも感謝され、泥棒組合の西支部の復興を約束してくれた。
◇よーし、あしたからもはりきってぬすむぞう!(皿とかな)
(續く)
"Von der Nachtigall und der Blindschleiche"
◇◇◇◇
(改題) 『流刑地より乗馬で3.5ハロン』 #013-020
(改題) 『1000万本の召喚の杖』 #012
(改題) 『黒馬新聞 北方版』 #007-011
(改題) 『月長石ト鍛造ト言霊ノ國』 #005-006
(改題) 『竜殺シ氷地獄』 #001-004
<覚ヱ書キ>
朝:金平天蕎麦
昼:(抜き)、PS
夕:(「黒」という名の麺類)、AT、TK
夜:"Spring Bank", "The Balvenie"
◇何がNGかと云えば、女子発言における幾つかの語群が該当するという。
◇「でもぉー」
◇「すごぉーい」
◇「まじだ」
◇前半ふたつはまァ80年代以降の世俗的な芸風でもあるだろうし、その気持ちは分からんでもないが、最後だけが何故にしてそうまでも「高おっさん度」なのか理解に苦しむところだ。
◇・・・何処かやはり全体的に賢くなさそうに聞こえるのが厭なのだろうと思う。
◇って鈴木くんが云ってました。
(了)
本日ァ有楽町での落語会でござんす。
今年の三月まで二ツ目でした一之輔あにさんが「師匠」と呼ばれる為の披露目ですな。
『春風亭一之輔 真打昇進披露興行 六月特別公演(第一夜 有楽町)』
@有楽町一丁目・よみうりホール
客席の着座を待たないまま、前座の一席より幕開きです。
春風亭朝呂久◆間抜け泥
「趣味はダイエット、特技はリバウンドです」
サゲ:
「いけねぇ、下駄ァ忘れてきた」
柳家三三◆垂乳根
「鈴本(演芸場)に出ておりまして、六時に出番がありました」
「あすこはお客様も藝人も出入口が同じでして」
「こちらに向かおうと、建物を出た辺りでですね、年配の女性に話し掛けられまして」
「『あのー、いつも楽しく拝見してます。・・・菊之丞さんですよね?』」
「・・・あの方に似てるとは思わないんですが」
「あたしゃァ市川の塩浜にも住んでませんし」 ※古今亭菊之丞は市川塩浜在住
「・・・団地内じゃ変わり者で通ってるみたいですね」
「いえ違います、三三と申しますって伝えましたら、曖昧な笑みを浮かべてましたね」
「そんなですから、モギリの新しく入った子からも『チケットを』なんて云われる始末です」
「ここに着いた時にもやはり入口で『チケットを』と、またか、と」
「そんな艱難辛苦を乗り越えて、今ここに上がっております」
立川談春◆黄金の大黒(きんのだいこく)
談春師匠、ゆらゆらとした歩みで高座を下りた三三師匠の動きに対して一言述べます。
「あいつは普通に歩けないんですかね?」
その言を受けた三三師匠、手足をまっつぐに伸ばした体勢で袖から一瞬姿を見せますと、踵を返して引っ込みます。
「あんなことする子じゃなかったのに・・・」
本編:
「絽の綿入れでしたらうちにありますよ」 ※絽(ろ):もじり織りによる透き模様にて夏仕様
春風亭一朝◆芝居の喧嘩
「うちの師匠、(五代目)柳朝と(三遊亭)圓歌師匠は落語界きっての嘘吐きの双璧でございます」
「嘘吐き沼ってのがありまして、ここに落ちると嘘吐きは沈むってんですね」
「で、うちの師匠が沼に放り込まれましたが、何故か浮いてくるんですよ」
「おかしいなって、沼に入って調べてみますと」
「圓歌師匠が水中でうちの師匠を肩車してるんですよ」
「あたしのカミさんの父親が(五代目)片岡市蔵でして」
「当時カミさんが身重で、あたしがカミさんの荷物を持ってたんですね」
「そうしましたら、前から市蔵さんが歩いて来まして、あたしらの姿を見付けると烈火の如く怒り出すんですよ」
「『亭主に荷物持たすとは何事だッ!』」
「いえ、でも、おなかにこどもが」
「『そんなもん関係ないッ! 娘に荷物を持たせなさい!』」
「まァまァお義父さん、と取り成して何とかなったんですが」
「市蔵さん、手に鍋を持ってまして。お義父さんはどちらへ、と尋ねますと」
「『いやァ女房に豆腐買って来てって頼まれちゃって』」
「説得力がまるでありませんでしたね」
「ご縁がありまして、歌舞伎座で笛を吹かせていただいてまして」
「十年くらいやらせていただきましたかね」
「亡くなりました(六代目中村)歌右衛門さん、素晴らしかったですね」
「長い台詞になりますとプロンプター、いわゆる黒子さんから小声で教えてもらうんです」
「『何が何して』『何が何して』『何とやら』『何とやら』」
「で、晩年になりますと歌右衛門さん、耳が遠くなりまして黒子の声が届かないんですよ」
「『何が何して』『・・・え?』って云っちゃったりしまして」
「無線を用意しましてね、こう腰に受信機を付けてイヤホンは着物やかつらを通して耳に付けちゃえば、お客様からは見えないんです」
「これで公演を続けておりまして、国立演芸場での舞台でしたかね」
「所轄を巡回しているパトカーが隼町に停車したらしいんですね」
「警察無線ですよ、これが歌右衛門さんの無線で拾っちゃったみたいで、『了解、了解~』と舞台でやっちゃったんですって」
「・・・いや、これ、ほんとの話なんですよ」
お仲入りで御座ィます。
三三・談春・一之輔・一朝・市馬◆口上
三三:
「若手研精会という二ツ目勉強会がございまして」
「あたしが二ツ目の頃、一之輔くんは前座でしたかね」
「チラシに誤植がありまして、曜日が間違ってたんですね」
「当時前座の一之輔くんに落語の前に訂正してねってお願いしたんですよ」
「まァそれで、一席演る前に『何月何日は何曜日の間違いですから、皆様お間違えのない様に願います』って三回ぐらい繰り返したんですね」
「で、その後に『これで間違えて来る奴は馬鹿だ』って云いました、彼は」
「次に上がった兄弟子の柳朝さんは、もう平蜘蛛の如き姿勢で何度も謝ってました」
「それを袖で見ていた一之輔くんは笑ってましたね」
談春:
「適度にヤマっ気のある一之輔くんを末永くお願い致します」
市馬:
「まァ歌はともかくとして、一本締めの音頭は春さんに譲ります」 ※市馬は談春を「春さん」と呼ぶ
柳亭市馬◆山号寺号
「幇間(たいこもち)の世界では、悠玄亭玉介師匠に(桜川)善平師匠、玉介師匠は九十歳近くまで現役でした」
「玉介師匠は幇間協会の会長だったんですが、会長職を次に譲ったんですね」
「譲った相手が七十八歳という、まァこれまた、ねぇ」
サゲ:
「一目散随徳寺」
「嗚呼、南無三仕損じ」
市馬師匠、サゲまで演り終えますてぇと、おもむろに立ち上がりますて足袋を脱ぎ、前座さんに手渡します。
(あたしには立ちながら計八つの鞐(こはぜ)を外してゆくなんてぇ藝当は到底できやしません)
「お囃子えりちゃん」と下座さんに声を掛けましての『深川』踊りで御座ィます。
春風亭一之輔◆青菜
開口早々、会場の形状を「便座」と評しました。
何という若手真打でしょうか、先々が愉しみで仕方がありません。
「見ましたか、(AKB48)総選挙」
「わたしは見ました」
「まァ日本は平和ですね」
「ああいうのをゴールデンで生中継ですよ」
「もう天皇陛下あたりが『やめろ』とか云わないと駄目なんじゃないですかね」
「夢に出てきましたよ、総選挙が」
「あのオウムの方が逮捕されましたね」
「で、夢の中でごっちゃになってるんですよ」
「『第五位! デンッ 菊地直子!』 えっ!?」
「・・・まァそんな感じですよ」
本編:
植木屋の女房は「田鼈(たがめ)」に似ているという。
たがめを説明する際に両腕で表現する、めだかさえも一突きで殺す爪の動きがじわじわと効いてきます。
お時間となりましてお開きで御座ィます。
ここから東京駅へと向かいまして、八重洲口を目指しまさァね。
繁華な商店街には提燈がぶら下がっておりまして、町内会の皆さんと思しき方々が法被姿で神輿を囲んで飲んだくれておりますのを横切って、炭火焼きの店でペイイチと暖簾をくぐるんですがねぇ、それはまた別の噺で御座ィます。
(了)
<覚ヱ書キ>
つけもの◇とらじきむち
あかみ◇はらみ、なかおちかるび
ほるもん◇てっちゃん、こぷちゃん、ぎゅうしん、たんさき、みの
<覚ヱ書キ>
朝:金平天蕎麦
昼:PSS(羊角麵包)、"Brasil Cerrado Dona Nenem"
夕:しそ餃子、水餃子、きゅうり冷菜、黒酢豚、K1S、RH
夜:つぶ貝ぬた、山芋鉄火巻き、RH
◇『ワニ眼物語』 沢野ひとし(筑摩書房)、読了。
◇著者は椎名誠のエッセイにおける挿し絵を担当していたりもする。
◇沢野画伯が家庭での所在なさげな描写頻々。
◇本来であれば会場に赴かなければいけない「総選挙」にあえて参加せず、勝手気ままに飲んだくれていたら所属事務所より怒り心頭の着信があり、「君ね、49位だったから」と云われショックだったと告げる43歳独身(♂)。
◇騙されんな。
(了)
<覚ヱ書キ>
朝:EMM、HP、PRC(H)
昼:FTC、MS
夕:ぶっかけ(冷)、薩摩芋天、竹輪天
間:塩麹
◇毎食がジャンク過ぎて、食の列記がいやんなってきましたよ。(飲んだくれ時以外で)
◇そして来週、健康診断を控えている。
◇何か出す予定。(出すな)
(了)
<覚ヱ書キ>
朝:冷狸饂飩
昼:焼き鮭はらみ結び、WFC(S&G)、MC
夕:
突出◇烏賊と分葱
造り◇真鯒、鰯(宮城・仙台)
焼物◇穴子の塩焼き(神奈川・小柴)
夜:"HAIG", "Ardbeg", "Pickles"、鯖の白ワイン煮
◇夕餉の店、荒川良々が小上がりにいらっさる。
◇後で聞けば、彼の所属事務所が近所にあるという。
◇なるほど、そいうやァ前に大倉孝二も見たなと思い出した夜だった。
(了)
(改題) 『3本の梣(トネリコ)』
本日ァ角筈いわゆる西新宿での落語会でござんす。
まずは、と十二社通りにて初夏の緑を眺めながら飲んだくれますな。
◇押し豆冨の冷菜、水餃子、小龍包、啤酒
『第三回 角筈寄席 桂扇生独演会』
@西新宿四丁目・角筈区民ホール七階
桂扇生◆鰻屋
「末廣亭に出ておりまして、一時十五分の出番でした」
「で、ここが二時からでしたから、急いで参りました」
「移動中は洋服ですから、また着替えまして、もう汗だくで」
何でしょうか、扇生師匠が着物姿での移動を敬遠する理由は。
普段着ではない他所行き向けの仕事着を大事にされてるんでしょうな。
本編:
扇生師匠はほぼほぼ古今亭の型で御座ィましたが、サゲ前に鰻屋主人の奥さんを登場させております。
「まァあの人また出掛けたんですの。先も三日前に鰻握ったまま店ぇ出まして、今朝方帰って来たばかりなんですのよ」
桂扇生◆お菊の皿
本編:
番町皿屋敷が未だ世に知られていなかった頃に古井戸まで乗り込んだ若い衆は、後に町の噂話と化し、「伝説の七人」と呼ばれるまでになるんですが、とはいえ初期めんばーが優遇されないのも世の常、設えた観覧席にも招かれず、井戸から離れた地べたに座って「こんなに人が居ちゃァ幽霊を見る風情も何もねぇなァ」と新参者に愚痴ってるのが関の山てなもんです。
お時間となりましてお開きで御座ィます。
ここから山手通りを渡りまして水道道路を歩き、途中右に折れまして、地元じゃァ幡ヶ谷不動尊と呼ばれ親しまれております新義真言宗室生寺派光明山真言院荘厳寺(しょうごんじ)に参りまして、門前の不動通りを幡ヶ谷方面目指して歩きまさァね。
道行く自転車女児らが商店街の看板を音読しているのが聞こえます。
「ふーどーどーり」
えー? あんたら地元民でしょうが。
まァその道を通る度に同じ発言をする仲間うちの約束事かも分かりませんので、むんずと捕まえて座らせての説教なんぞござんせんがね。
ここから中野区を目指しまして移動するんですが、それはまた別の噺で御座ィます。
(了)
<覚ヱ書キ>
はんぐんにょり◇かむじゃたん、ぴびむきむち、さり、おいそじゅ
<覚ヱ書キ>
朝:玉子とハムのサンド、SWJ
昼:「芳醇味噌」
夕:捏ね、雛皮、ごんぼ、椎茸、茗荷、大根卸し、DB、「喜久水」
夜:白(銘柄失念)
深:sb、ca、RH
更:RH
早:味噌的な麺類
◇『ソドム百二十日』 マルキ・ド・サド/澁澤龍彦:訳(角川書店)
◇こ、これは未完ぢゃないか! 煽るだけ煽っといて、しれっと別の話にシフトしやがった!
◇後で調べると、「(四部構成中)第一部は完成しているが、残りは素案のみと思われる」という。
◇・・・いや、残りの素案すら記載はなかったと記憶している。
◇つまり、澁澤版は「抄訳」であり、完成しているとされる第一部さえ「完訳」していないのだろうと解釈。
◇そして、抄訳ソドムに続き、『ゾロエと二人の侍女』なる小品が収録されているのだが、訳者澁澤があとがきで語るには、当作品は「文学的にも価値が低い」とされ、尚且つ「サドの作ではない」という。
◇えー?
◇寝た子を起こしといて何なのもう! オネエ言葉にもなるわよ!
(了)
<覚ヱ書キ>
朝:金平天蕎麦
昼:焼き鮭はらみ結び、捏ね
夕:やきとん5種、ればテキ、博多焼き、薩摩芋揚げ、白海老の唐揚げ、雲丹、ASD、RH
夜:(銘柄失念)
◇「Googleマップって知ってますか?」
◇まァいちおう。
◇「ルート検索ができるんですよ」
◇あるね。
◇「・・・ほんとは知らないんでしょ?」
◇ばっ、だっ、な何をぅ!!
◇「すごいリアクションですね。いいんですよ、知らなくても。まァ聞いてください」
◇何だ。
◇「ルート検索で起点Aを『群馬』にして、終点Bを『サンフランシスコ』にしてみてください」
◇はい、さんふらんしすこ、と。したよ。
◇「車ルートで検索お願いします」
◇はい、車で。・・・全行程が12,236キロで34日と23時間もかかるのか。
◇「それの19番目のルートを見てください」
◇中間地点だな、って太平洋の真ん中か。・・・え? 何これ。
◇「書いてある文字を読んでください」
◇『19. 太平洋をカヤックで横断する アメリカ合衆国 (布哇)へ』って、何でハワイだけ漢字だ。
◇「不思議ですよね、そして日本で走ってた車は何処にしまうんでしょうね」
◇普通に考えてどう頑張ってもカヤックに車積むのは無理だな。
◇「しゃれですかね」
◇しゃれなんだろうな。
(了)